あのマンション住みたいなぁ。もうちょっと頑張れば買えるんじゃない?
こんな感じで家やマンションの購入予算を何となくで決めてはいけません。しっかりとした計画をもとにした決め方をしないと、あとで大変なことになってしまいます。
ここでは住宅購入における予算の決め方について紹介していきます。
予算とは越えてはいけない上限の金額
好きな場所で好きな広さ、好きなグレードのマイホームが欲しい。
あなたがお金をいくらでも持っているのならその希望は叶うでしょう。
ですが大抵の人は住宅購入に出せる金額には限りがあります。まずは住宅購入の予算を決めましょう。
もちろん住宅の立地やグレードも大切です。あなたの理想となる住宅でなければ、高い金額を支払って購入する意味がないでしょう。予算と希望物件のどちらが大切かということではなく、どちらも大切なのです。それぞれ譲れないラインを決める必要があります。
ここでは住宅購入の予算の決め方について紹介します。(物件の条件については別の機会に紹介したいと思います。)
予算とはこの金額以内で住宅を購入しようという上限の金額です。越えてはいけない、越えられない上限です。
この予算は適当に決めてはいけません。
これからの生活の大きな負担にならない、適正な予算額を設定する必要があります。
まずは日々の生活費に加え、将来に予定されている費用(例えば子どもの教育費など)と突発的な事に対応できる予備費を想定しましょう。せっかくマイホームを買ったのに生活が苦しくなってしまっては意味がありません。これからの生活を見通しましょう。
ライフプランを考える
住宅の購入予算を決めるにはライフプランを考える必要があります。
ライフプランとは人生の計画のことです。これから先に予定されている家庭内のイベント、例えば出産、子どもの学校関連、転職、昇給などを計画します。
これを考えることで今後の人生のイメージが付くのと同時に住宅購入にかけられる予算についてもイメージがつきます。
ちゃんとしたライフプランニングが難しければ簡単に箇条書きでもいいのでチャレンジしてみましょう。とにかく将来を想像してください。
子どもの予定は?子どもが大学まで進むとしたらいくらかかる?転職の可能性は?給料は上がっていく?貯金はどれくらいできそう?このようなことを書き出してみましょう。
この計画を逆算することで、このときまでに貯金がいくら必要か、そのためにはいま住宅購入の予算としていくら用意できるのか、住宅ローンの返済は月々いくらくらいできるのかということが見えてきます。
これを面倒だからといっておろそかにするとあとが大変です。適当な計画はのちの生活苦へと繋がる可能性があるのです。
購入費用の内訳
家やマンションを買う時にかかる費用について考えてみましょう。
全額を現金で支払える人は多くはありません。大抵は住宅ローンを利用することでしょう。
住宅購入費用は契約時に支払う諸費用や頭金と、残金とに分けられます。一般的には諸費用や頭金を現金(もしくは住宅ローン)で、残金を住宅ローンを利用し支払うことが多いです。
つまり、購入予算は住宅を購入する時点で支払うお金と購入後に月々払うお金の2種類を考える必要があります。
購入するときに支払うお金は、物件の頭金や諸費用が該当します。
これまでに住宅購入のために貯金してきたお金がこれに当てることが多いです。諸費用には仲介手数料や住宅ローンの事務手数料、火災保険、印紙代、引越し代、新生活の家具代なども含めて考えておきましょう。
そして、購入時に借り入れ、月々返済していくのが住宅ローンです。
頭金と諸費用として用意する金額
基本的なこととして、頭金や諸費用として自己資金を多めに用意すれば住宅ローンの負担は小さくなります。
ですが、だからといって手元の現金をすべて住宅購入資金に当ててしまっては問題です。万が一のときのためにある程度の現金を残しておくほうが無難です。
上で紹介したライフプランニングを通して、いま頭金として出せる額を計算しましょう。
ちょっとした突発的な出来事で計画が破綻する場合もあります。余裕を持った計画とすることが大切です。
ちなみに、諸費用は基本的に自己資金で支払うことになります。
諸費用は土地から購入するのか、解体が必要か、仲介手数料は必要かなど条件次第で金額は変わります。あくまでも目安として、マンションの購入を想定した場合、引っ越し代や家具・家電を含め200〜300万円は用意しておきましょう。
住宅ローンで借りる金額
住宅ローンは借りることができる金額と、借りても生活に大きな負担がかからない金額の2つの見方があります。
借りることができる金額は借りれる金額は大きいですが返済の負担が大きい。生活に大きな負担がかからない金額は借りる額は少ないですが返済の負担が小さくなります・
貸してくれるならたくさん借りたい!と思うかもしれませんが注意が必要です。借りたものは返さなくてはいけません。将来の自分に利子を付けて跳ね返ってきてしまいます。
ですので、毎月いくらまで返済することができるのかをライフプランや毎月の収支から計算しましょう。
一つの目安として、返済負担率という指標があります。
返済負担率とは年収における返済額の負担率。つまり、年収500万円で返済額が年額125万円(月額10.4166万円)であれば返済負担率は125万÷500万=25%となります。
この返済負担率を使い、一般的には25%から35%程度が借りることができる目安と言われています。
ですがこの目安はあくまでも目安。それぞれ家族構成も貯金額も生活環境も違います。あなた自身が返済できる金額を計算しなくてはいけません。
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購入予算を決める
このように諸費用を含む頭金と住宅ローンの借入金額が決まれば購入予算は決まります。
いずれにしても、ライフプランから支払えるお金を導き出すことになります。
いま持っていない、出せないお金を、住宅ローンという借金をして支払うということはそれなりの計画をたてることが必要なのです。
家を買うときは住宅ローンを使うのが当たり前と考えてしまうと「住宅ローン=借金」ということを忘れがちです。しっかりと計画を立てて購入予算を決めましょう。
欲しい物件と買える物件は違う
今回紹介したのは購入予算の決め方です。
予算が決まれば物件価格と物件の条件との見比べが始まります。
まず重要な事は、あなたが欲しいと思う物件と買える物件とは違うということです。
もしかしたら、少し無理をすれば住宅ローンの借入金額を上げることができるかもしれません。そうしたらあなたが希望する物件に手が届くかもしれません。
しかし、そこで無理をしてもいいのでしょうか。
マイホームは一生に一度の大きな買い物とも言われる重要なことです。
買う家やマンションに妥協なんてしたくないという気持も納得できますし、なるべくなら妥協するべきではないでしょう。
しかし予算を上回る物件を購入したことでマイホームを手に入れたあとの生活が苦しくなっては元も子もありません。
欲しい物件、理想の物件には限りがありません。「欲しい物件<購入予算」を基本に、ここだけは譲れないポイントをおさえた物件探しをすることがおすすめです。
それでも、理想の物件が欲しい、譲れないポイントと予算が合わないのであれば、もしかしたらいまは買う時期ではないのかもしれません。
貯金額がもう少し増えてからの方がいいのかもしれません。
こうした希望物件の条件と購入時期を含めた検討をするため、まずは購入予算を決めてみてください。