又吉、家を買う。
直木賞作家としても知られるお笑い芸人の又吉直樹さん。
知っている人もいるでしょうが、NHKのEテレで「オイコノミア」という経済学に関する番組に出演しています。
経済学と言っても身近な題材についてのものなのでとても見やすく勉強になる番組です。
2016年5月4日の放送は、又吉さんが家を買うということで(本当か知りませんが)家を買うために家の価格についてお勉強をしていましたので紹介します。
オイコノミアとは
オイコノミアはNHKのEテレで放送している経済学についての番組です。
番組ホームページでは以下のように番組紹介をしています。
“経済学”という学問の、本当の目的を知っていますか?
実は、経済学とは、
「人々がどのように生きれば皆で一緒に幸せになれるのか?」を考える学問です。
社会の荒波にもまれている皆さん! 日常生活のあんなことやこんなこと、
又吉さんと一緒に、経済学の視点から見直してみませんか??
疑問やお悩みが、スッキリ晴れてしまうかも!?
引用元:オイコノミア公式サイト
身近なテーマを題材に経済学を学んでいこうと言う番組なので、とても見やすく為になる番組です。
ちなみにこの「オイコノミア」とはエコノミクス(経済学)の語源となった古代ギリシア語からきているそうです。
今回のテーマ
そして今回のテーマは「家の購入」についてです。
中でも、家の価格の見方について紹介しています。
家を購入したいと考えている又吉さんと一緒に私も勉強です。
又吉さんの欲しい家は以下のような家。
3,000冊の本がおける書斎が欲しいとはさすが本好き芸人ですね。
- 広さ130m²以上
- 3LDK
- 都心
- 中古マンションをリフォーム
- 本棚を作りたい(3,000冊)
- 書斎が欲しい
- 大きなクローゼットが欲しい
- 緑を感じたい
今回のゲストは山田たかおさん
今回、ゲストで登場したのは笑点の大喜利で座布団を運んでいる山田くんこと山田たかおさん。
若くして「ずーとるび」というアイドル?バンド?で財を成し、17歳という若さで東京都江戸川区の瑞江駅近くに一軒家を購入したという強者です。
現在は都内に2棟のマンションを所有し、横浜に4階建ての自宅があるとのこと。
座布団運びが儲かっているのか、それとも不動産収入がすごいのか、、、、
山田さんがおっしゃっていた「家を買うのではなく地べたを買う、街を買う」という言葉は共感できるものでした。
家の価格についてのお勉強
納得する家を購入するためにまずは家の価格について勉強です。
この知識を勉強するために簡単な問題が出ていたのでご紹介していきます。
問題1:不動産価格を決めるもの
ここに「1LDK、45m²、3700万円」の物件があります。
この物件は高いですか?安いですか?
そうです、この情報だけでは何とも言えません。
場所、広さ、方角、築年数、面積、最寄り駅までの距離、火災発生件数、犯罪の発生数など様々な要因が不動産の価格に影響してきます。
建物の要因だけでなく周囲の土地の要因も含め評価されます。例えば家の前の通りに外灯があるだけで価格が変わることもあるとのこと。
このように不動産はいろいろな要因をそれぞれ評価して価格を算出していきます。
これを「ヘドニック・アプローチ」いいます。
ヘドニックアプローチとは商品の価格を様々な性能・機能ごとに算出する方法です。
問題2:価格の違いを見極める
まずは下の地図を御覧ください。
Aを基準とします。
BはAより駅まで遠いため価格が低めです。
CはAよりも部屋が狭いので価格が低めです。
DはAよりも緑が多く住むための環境がいい場所なので価格が高めです。
では右下のXはいくらでしょうか。
ちなみに駅からの距離はBとXは同じ。
部屋の大きさはCとXは同じ。
環境はDとXは同じです。
正解と考え方を紹介します。
物件Aを基準とし、距離が遠くなったことにより「−500万」(BとAを比べると分かる)
広さがAの半分なので「−2000万」(AとCを比べると分かる)
環境がいいので「+1000万」(AとDを比べると分かる)
つまり、物件Aの価格5000万-500万-2000万+1000万で3500万となります。
ということで正解は3500万円です。
駅からの距離、広さ、環境の3つの要素をそれぞれ評価して価格を算出するわけです。
実際はこうは簡単には行きませんが一つの考え方として参考になりますね。
価格と価値について
家のように長く使うものは自分だけでなく他の人も使えるものを選ぶ必要があります。
自分にとっての価値は他人からみると違う場合があります。
そして多くの人が価値を感じないと価格は下がってしまいます。
価格と価値はイコールではないのです。
自分だけのこだわりを重視することも大切なことですが、売る時を考えれば他の人の価値を考えることも大切です。
これを理解した上で、家の購入を検討する必要があります。
家の価格に強くなるためのクイズ
次は価格当てクイズです。
今回は白金高輪駅周辺の物件の価格当てクイズ。
白金高輪は品川駅にも近く、新幹線や羽田空港へのアクセスがいい場所です。
六本木や麻布十番などの繁華街にも近く、2020年には品川-田町間に新駅も予定されている将来性のある場所です。
物件A(マンション)を基準とします。概要はこちら。
- 駅距離:徒歩2分
- 価格:3700万円
- 築年数:1998年2月
- 建物構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
- 階建:3階 / 9階建て
- 総戸数:52戸
- 間取り:1LDK
- 専有面積:45m²
- ペット飼育可能、宅配ボックスあり、東向き
問題3:階数の違いで価格は変わる
物件B(マンション)の価格はいくらでしょう。
- 階建:6階 / 9階
- 間取り:3LDK
- 専有面積:72m²
- 南東角部屋、希少なファミリータイプ
この項目以外は物件Aと同条件です。
考え方と正解です。
物件Aから単価を出します。
3700万÷45m²=82万/m²
82万/m²×72m²=5904万
階数は3階を基準にして3階より下だと価格が下がり3階より上だと価格が上がります。
それぞれ階数ごとに2〜3%の価格変動です。
3フロア上がったので3×2%で6%アップということになります。
その他に、角部屋ということで3%、エリア的にファミリーマンションが希少性のため1%のアップで、物件Aよりも10%のアップとなります。
5904万×1.1=約6500万ということになります。
問題4:木造の建物の価値
物件C(一軒家)の価格はいくらでしょうか。
- 駅距離:徒歩4分
- 建物構造:地階鉄筋コンクリート、1階以上木造
- 階数:地上3階地下1階
- 間取り:2SLDK+ルーフバルコニー
- 延床面積:120m²
- 敷地面積:62m²
- 大型の地下フリースペース、ルーフバルコニー
この項目以外は物件Aと同条件です。
今度は一軒家の価格です。
考え方と正解です。
木造の建物は1年で約4%程度ずつ価値が下がり、築20〜25年で市場価値がゼロになります。
物件Cは築18年(物件Aと同じ)なので4%×18年で72%下落しています。
現在の建築費が2616万程度なので、2616万×0.28=730万となり、建物の価値は730万円となります。
土地はこの周辺の相場が7130万程度なので、合計して7860万円が正解となります。
ちなみに鉄筋コンクリート造の場合は築50年で市場価値がゼロになると言われているそうです。
価格を決める要素のポイント
様々な要素が絡み合って価格は決まるので、今回の問題のように簡単に価格が決まるということはないでしょう。
しかし、目安として覚えておいて損はない情報だったのではないでしょうか。
再度まとめると以下の通りです。
- いろいろな要因をそれぞれ評価して価格を算出。
- 自分の価値と他人の価値は違う。
- 売ることを考えれば他人の価値を意識する必要もある。
- 階数が変わると1フロア2〜3%程度価格が変わる。
- 木造の建物価値は築20〜25年でゼロになる。年4〜5%下落していく。
また、番組では家だけでなく周辺の環境についての重要性を強調していました。
家を買うのではなく、その土地、その街を買うといった意識をもって家選びをするのが大切ですね。