あなたはこのように感じたことはありませんか?
駅前にあるキレイな大手不動産会社の店舗。
外から中も見えるしきれいな外観。入りやすい。お客さんもチラホラ見える。
でも、あっちにある「いかにも古くからこの街でやってます!」というちょっと古びた不動産屋はちょっと閉鎖的で入りづらい。外から見てるだけだと一体何でつぶれないのか不思議なくらい。
「昔からある街の不動産屋はなぜつぶれないのか」
この疑問を解決するため、今回は街の不動産屋がどんな仕事をしているのかをご紹介します。
不動産会社とは何か
そもそも不動産会社とはどんな会社なんでしょうか。
不動産業といってもその職種はいろいろです。大雑把に解説していきたいと思います。
すぐに思い浮ぶのは、「部屋を借りたいときに物件を紹介してくれる」「家を売りたい(買いたい)ときに買いたい(売りたい)人を探してくれる」ということではないでしょうか。これが不動産仲介です。
これ以外にも、「マンションの共用部の電灯が切れた時に交換してくれる」とか「アパートの共用部を清掃をしてくれる」といった建物の管理や、大家さんと部屋を借りる人との間に入って賃貸契約の管理をしたりする不動産管理。
「分譲マンションや戸建てを企画開発する」不動産開発、「分譲の戸建住宅やマンションを販売する」不動産販売、「自分が所有する不動産を賃貸する」不動産賃貸などがあります。
もちろん住居以外にも駐車場やオフィスビル、商業ビルについても同じような業務があります。
不動産(土地・建物)に関連するこれらの仕事を業務としている会社を一般的には不動産会社と呼んでいます。
まとめると不動産会社とは不動産の売買、交換、賃貸、管理及び、売買・交換・賃貸の代理もしくは仲介を行う会社、または不動産を管理する会社のことを言います。
街の不動産屋は何をしている?
では街の不動産屋さんはどのような仕事をしているのでしょうか。
それぞれの不動産屋さんによって違いますが基本的には次の3つです。
- 不動産の仲介
- 不動産の管理
- その他
これのどれか、もしくはこれらを複数組み合わせます。
不動産の仲介
不動産屋は「売りたい人と買いたい人」や「貸したい人と借りたい人」のマッチングをし、仲介をすることで仲介手数料が貰えます。(仲介とは当事者の間に入って話をまとめ、契約を成立できるようにすることをいいます。)
でもこの仲介業、安定的な仕事ではありません。
- 賃貸・売買の件数は限られている
- 住居の住替えには繁忙期がある
- 数ある不動産屋の中から選んでもらう必要がある
- 1件あたりの報酬はそれほど高くない
まず不動産の売買や賃貸は頻繁に行われるような取引ではありません。
転勤や進学に伴う引越しなど、住居の住替えには繁忙期や閑散期がしっかりとあります。もちろん、繁忙期であれば数としては多くはなりますが必ず仲介できるというわけでもなく、しっかりと顧客をつかまえないと物件の仲介は出来ません。
手数料は賃貸物件の仲介の場合は賃料の1ヶ月分、売買の場合は売買代金のおそよ3〜5%(物件により異なる)となっています。月額賃料7万の1Kであれば仲介手数料は約7万円が上限、1000万円の土地の売買であればおよそ30万円が上限となります。手数料は払う側としては安くはありませんが、安定的な経営をするためには件数を増やす必要があります。
これらの理由から仲介業は波があり不安定といえます。
不動産の管理
不動産の管理とは、賃貸契約についての管理と建物の維持管理の2つがあります。賃貸契約についての管理とは不動産オーナーに代わり居住者と契約についてやお金についてのやり取りをし管理することで、建物の維持管理は清掃や設備等の点検・管理をすることです。
この不動産の管理は仲介とは違い安定的な仕事といえます。なぜなら、不動産のオーナーから物件の管理を依頼され、月々安定した金額が貰える契約になっているからです。
この管理物件が不動産屋さんの大きな財産となります。管理物件が多いと安定した管理料が入ってきて、それに加えて、その物件に入居したいという人から仲介手数料も得られるなど仕事が広がっていきます。
不動産オーナーと不動産屋との管理契約は長期的なものになることが多いことも安定的な仕事といえる理由です。
その他
その他として不動産を自ら売買(戸建分譲など)したり、自ら所有して不動産オーナーとなっている物件の賃貸をしている場合もあります。
また、不動産に関わる別の仕事をしていることもあります。
別の仕事とは例えば保険です。不動産は大抵の場合火災保険に加入することになるので、不動産屋さんが保険の代理店としても活躍している場合があります。賃貸マンションを借りるときなどに火災保険を払ったことがある人も多いはず。
また、土地や家の購入などに併せて、一戸建ての建設やリフォームの相談を受けることがあります。こうした相談に応え、専門業者を紹介することでその専門業者さんからいくらか不動産屋さんへ紹介報酬が渡る場合もあります。
他にも建設会社と兼業している不動産屋さんもあります。
信頼があるから今まで続いている
ご紹介の通り、街の不動産屋さんは仲介や管理を中心としています。
昔からある街の不動産屋さんは、地元に根付いた営業を長くしてきた結果、地元の不動産オーナー(大家さん)から信頼を得て管理物件をしっかり確保していることが多いです。
管理物件を確保していると月々の管理業務報酬が入ってくる、つまりはお客さんが入っていなさそうな不動産屋でも食べていけるといえます。
他につぶれない理由としては、少人数(社長1人とか)でやっているため人件費が少ないという場合もありますし、実質的には隠居暮らしの社長さんが経営する不動産屋のため儲からなくても大丈夫だったりする場合もあります。
もし町の不動産やで働くことを検討しているのなら
もし、パートやアルバイトとして街の不動産屋さんで働こうかと考えているのであればまずはよく調べてみましょう。
いわゆる街の不動産さんで働くのは、社長さん次第で働く環境は大きく違います。小さい会社特有の、人が少なく忙しい、一人の負担が大きい、残業が多い、よく分からないまま仕事をやらされるといった恐れももちろんあります。逆にやることがなくて暇という可能性もあります。
これは外から見ていては分からないもの。まずは「お話を聞いてみる」というスタンスで面接や電話などでいろいろと情報を引き出すことをおすすめします。
もしくは大手不動産会社の方が労働環境が整っており情報も多いので、街の不動産ではなく大手不動産会社の仕事を探してみてもいいかもしれません。
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まとめ:町の不動産屋の仕事内容
- 仲介や賃貸管理を基本にその他の業務を行う
その他とは自社で賃貸や売買、建築、保険など - 仲介業は波があり安定はしない
- 管理業は安定している
- 町の不動産屋は儲けてなさそうで管理の仕事があるのでつぶれない
不動産屋の仕事は仲介だけではありません。
店舗にお客さんがいないと「なんで?」と思うかもしれませんが、他の仕事をしているので街の不動産屋はつぶれないのです。(中には本当に何もしていないような不動産屋もありますが…)