土地の価格を比べるとき、坪単価で比べることがありませんか?
坪単価はとっても便利な物差しではありますが、土地の価値を比べるときは坪単価よりもいいものがあるんです。
ここでは、坪単価に代わる物差しとして1種単価とは何かをご紹介します。
面積の単位について
まず、前置きとして面積の単位について説明します。
不動産の面積では2つの単位が使われています。
一つは「m²(平方メートル、平米)」で、もう一つは「坪(つぼ)」です。
坪は昔の単位で、今の不動産取引においてはm²を使わなければいけません。
(坪を参考値として併記することはOK。)
ですが昔の単位なのに不動産業界ではこの「坪」が根強く残っています。
m²と坪の関係は以下の通りです。
1m²=0.3025坪
m²を坪に直す / 坪をm²に直す方法
100m²は何坪か計算する場合は「平米単位の面積」に0.3025をかけます。
つまり、100m²×0.3025=30.25坪
逆に30.25坪は何平米か計算する場合は「坪単位の面積」を0.3025で割ります。
つまり、30.25坪÷0.3025=100m²
坪単価はよく聞くけど平米単価はあまり聞かない
土地の面積当たりの単価を表す場合、坪単価を聞くことは多いけど平米単価はあまり聞かなかったりします。平米単価も使われてはいますが、坪単価の方がよく聞きますね。
それぞれ計算方法は以下の通りです。
坪単価:
土地の価格を土地面積(坪)で割ったもの。
坪単価=土地の価格÷土地面積(坪)
平米単価:
土地の価格を土地面積(m²)で割ったもの。
m²単価=土地の価格÷土地面積(m²)
どちらの単位を使った面積で割るかの違いです。
それぞれ1坪あたりの価格、1m²あたりの価格を表します。
土地の価格を単価で比べるときは坪単価ではダメ
土地の価格を比べる物差しとして、「坪単価」を使うことがよくあります。
例えば、土地の面積が違う土地Aと土地Bで価格を比べるときは便利です。坪単価を比べることで同じ面積だったと仮定した場合どちらが安い(高い)かが分かります。
このように土地の価格を比べるのに便利な坪単価ですが万能ではありません。
土地に関して重要なことの一つに、この土地はどれだけの面積の建物が建てられるかということがあります。
どれだけの面積の建物が建てられるか、これは容積率によって決まってきます。容積率については下の記事を参考にしてください。
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例えば同じ面積(100坪)同じ価格(3000万円)の土地Cと土地Dがあった場合を考えてみましょう。
土地Cの容積率は200%、土地Dの容積率は100%だとします。
つまり土地Cでは床面積200坪の建物を建てることができ、土地Dでは床面積100坪の建物までしか作ることができません。
同じ面積、同じ価格・坪単価の土地Cと土地Dですが、実際は土地Cの方が「大きな建物を建てられる=価値が高い」ということになります。
これが坪単価だけで土地の価値を判断しているとダメな理由です。
坪単価だけだと建てられる建物の大きさが考慮されていないんだね。
平面でなく立体的に考えて比べる必要があります。
土地の比較におすすめな1種単価とは何か
ではどうすればいいのか。容積率を考慮した単価で比べればいいんです。
それが1種単価です。
1種単価の計算方法は次のとおりです。
1種単価=土地の価格÷土地の面積(坪)÷容積率
もしくは1種単価=坪単価÷容積率
※面積の単位は坪で計算することが多い
例)100坪の土地、容積率200%、土地の価格3000万円の場合
3000万円÷100坪=坪単価30万
坪単価30万÷200%=1種単価15万
この1種単価を使えば容積率の違う土地の価値を比べることができます。
先ほどの例で1種単価を比べてみましょう。
例)同じ面積(100坪)同じ価格(3000万円)の土地C(容積率200%)と土地D(容積率100%)を比べる。
土地Cの1種単価=3000万円÷100坪÷200%=15万円
土地Dの1種単価=3000万円÷100坪÷100%=30万円
つまり土地Cの方が割安と分かります。
うまく使い分けることが大切
土地の価格を比べるときは坪単価で比べてもいい場合と、1種単価を使ったほうがいい場合があります。
注目すべきは容積率です。容積率が同じ場合は坪単価でもいいですが、容積率が違えば1種単価で比べましょう。
土地を平面で見るのではなく、そこに建つ建物がどれくらいの大きさになるかを考えることが大切です。
また、単純に単価で比べるのではなく、周辺の環境や条件も大切な指標です。一つのことにとらわれず総合的に判断することが大切です。
まとめ:1種単価は容積率を考慮した単価
- 1種単価=土地価格 ÷ 面積 ÷ 容積率
(1種単価=坪単価 ÷ 容積率) - 坪単価は平面の単価、1種単価は立体的な単価
1種単価はどれくらいの面積の建物を建てられるのかを考慮した単価 - 坪単価と1種単価を使い分けて比較することが大切
ここでは1種単価とは何か、坪単価とどう違うのかについて紹介しました。
坪単価は多くの人が知っていますが、1種単価は知らない人も多いのではないでしょうか。
ですがここで説明したように1種単価は便利な物差しです。ぜひ覚えておいてください。